大判例

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広島高等裁判所 昭和62年(う)46号 判決

論旨は,原判決は一般競争入札(以下「本件入札」という。)に際し同判示土地(以下「本件土地」という。)の落札を希望していたA産業の代表取締役である被告人がF市秘書課秘書係長Bから右土地の予定価額が6800万円くらいとの内報を受け,右金額に基づきA産業において8010万円で落札し,もって偽計を用いて公の入札の公正を害すべき行為をしたと認定して競売入札妨害罪の成立を認めたが,(一)(省略),(二)(省略),(三)被告人が内報を受けたとされる6800万円と入札した8010万円とでは金額的に大きな開きがあり,被告人は内報を受けた金額を基に入札したものではないから,抽象的にも入札の公正を害する実害発生の可能性は認められず,入札の公正を害すべき行為に該当しないのであって,原判決には右のような事実の誤認,法令適用の誤りがあり,これが判決に影響を及ぼすことは明らかであるというのである。…中略…

確かに被告人が内報を受けた予定価額と現実に入札した価額との間にかなりの開きがあることは所論のとおりであるが,入札価額は予定価額のみでなく他の入札希望者の入札価額を予想するなどして定めるものであると考えられるところ,関係証拠によると,被告人が8010万円で入札したのは,本件土地の落札見込金額について甲と話し合った際に同人から8000万円くらいを示唆されたので他の入札希望者の動向を考慮したためであることが認められる。したがって,予定価額と入札価額の差異を根拠に予定価額の内報が入札の公正を害すべき行為に該当しないとは到底言えない。

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